生体内、特に細胞間の情報の流れには大きく分けて3つの経路がある。
内分泌系、神経系、ギャップ結合である。
内分泌系の情報伝達では体液中でホルモンを用いて情報をやりとりする。すべての細胞は体液に浮かんでいる状態であるから、遠隔の細胞にシグナルを送るには効率の良い方法だ。ホルモンにはさまざまな種類があり、種類に応じた受容体を持つ細胞のみがシグナルを受け取るため混線することはない。
次に神経系の情報伝達である。
神経系の情報伝達では、神経細胞網をバケツリレーのようにして目的の細胞(筋肉など)にシグナルを伝達する。
最後にギャップ結合であるが、これは細胞同士が直接接触して情報を伝達する方法である。ここでは詳しく述べない。
これらの方法の伝達速度は内分泌系<神経系<ギャップ結合の順に速くなる。
ところが、これらホルモンなどは窒素などのごく少数を除いて細胞内に進入することができない。では、細胞内ではどのように情報が伝達されるのだろうか。
細胞を包んでいる細胞膜はリン脂質二重構造になっており、その2重構造の間を受容体などのたんぱく質が漂っている。細胞外から伝えられたシグナルはまずこの細胞膜の表面にある受容体が受け取る。
受容体はシグナルを受け取ると、直ちに、Gたんぱく質が受容体の細胞膜の内側の部分に結合し、酵素を活性/不活性化する。ここで活性化された酵素は細胞内メッセンジャー(またはセカンドメッセンジャー)と呼ばれる情報伝達物質(環状AMP、カルシウムイオンなど)を生成する。この伝達物質は標的の標的のたんぱく質に結合し、活性を変化させる。
ここまでの流れをまとめると次のようになる。
細胞A→(内分泌系、神経系、ギャップ結合)→細胞B{細胞Bの受容体→細胞B内のGタンパク質→酵素→標的のたんぱく質}

次のページでは内分泌系について詳しく取り扱いたいと思う。